2009年12月1日火曜日

☆韓国研修レポート③

再び韓国研修報告に戻りますョ(笑)
3日目午後はソウル市内に戻り、三・一独立運動の主要メンバーが在籍、卒業した中央高校を見学後、西大門刑務所跡へ。
日本の植民地時代、植民地政策に対して教育と産業をもって対抗するという派と、武力を頼んで実力で植民地支配を打倒するという派(=義兵)があったそうです。この義兵を捕らえて拷問を加えたのがこの西大門刑務所。ここで命を落とした義兵は何十万とも何百万とも言われているけど、本当のところは日本軍が資料を全て処分してしまったため、誰にも分からないそうです。
当時の拷問や獄中の様子を再現した人形などが館内にはたくさんありました。とても酷い事を当時の日本人はしたのです。それは分かってるんだけど、ここの展示に何とも形容しがたい違和感を私は感じてしまいました。でもそれをコトバに出したらものすごくいけないことのような気がして・・。だから案内をしてくれた韓国の歴史教師チェ先生と通訳のファンさんの次の言葉にとても救われました。
『・・1945年以降は日本の植民地支配に協力した親日派がここに入れられるべきだったのに、終戦後捕らえられ投獄されたのは、共産主義者や軍事政権に反対した人たちだった。この事実に関する記述はここにはほとんどない。色々な記念館に入る際には、是非考えてみてほしい。それはいったい何を記念し、何を後世に残そうとしているものなのかを…』
『西大門刑務所跡は日本=悪魔という構図で敵対的共存(相手の脅威を理由に自らの武装を正当化しそれがさらにヒートアップみたいな・・)を煽る施設。同じように戦争記念館では北朝鮮=悪魔という構図の展示。そうではなく、何故彼らはそんな事をしたのか、何故そんなことが起きてしまったのかをもっと考えさせる施設になって欲しいと私は思っている』
『韓国には戦争記念館はあっても平和記念館はない。戦争記念館をどうやったら平和記念館に変えていけるか。そういう努力をお互いにし続けて、また会いましょう』
韓国の歴史についてはそれなりに知っているつもりでしたが、日本の植民地支配という歴史を持ち、隣に北朝鮮という国をか抱える韓国で、平和運動や政治的な運動をしていくことの困難さはこの4日間で初めて知りました。現政権下で現政権を批判するもの=北朝鮮を利するもの=共産主義者という構図になりかねないこの国で、なお上のような発言ができるこの人たちの信念の強さにすごくすごく感動して勇気付けられて涙が出ました。この人たちに会えただけでも韓国まで来た価値があると思えるくらいに。
左の写真真ん中がファンさんとチェ先生です。ちなみにファンさんとは大阪JBで韓国班(←で同じ班だったグリーン病院の人たちとも再会できたんです☆)の通訳さんとして付いてもらって以来の再会でした。とてもステキな女性ですョ。皆サマどこかで会ったならぜひぜひよろしくお伝え下さい。
何だかまとまりませんが、以上ヤマダの韓国レポートでした。おわり。